モダンギターの問題点

楽器についていろいろ
Jasc
記事COLON 11
登録日時COLON 月 19 5 2008, 17:59

モダンギターの問題点

投稿記事 by Jasc » 水 4 6 2008, 18:33

アントニオ・デ・トーレスによってモダンギターの原型が完成して以降、いわゆるクラシックギターの構造にあまり大きな変化がないように感じられます。

もちろんトーレス以降、ブーシェシステムと呼ばれる力木の配列や、ダブルトップやハニカム構造の表板、ワッフルブレーシングなど実験的な試みは何人かの製作家によって取り入れられています。

近年、製作にも興味を持ち、暇を見つけては製作をしています。

ただ、伝統的なギターをただひたすらコピーのように作るのも面白みがないと感じています(もちろん現在のギターの形が未成熟であるとは思っていません)。少なくともギターはほかの楽器に比べてもまだまだ改良の余地が多く残されている楽器であると思います。

そこで皆さまに質問なのですが、現在のいわゆる「モダンギター」で、楽器のハードウェアとしての部分で不満を持っている(感じている)部分というのはありますか?

多くの演奏家の皆様の率直な意見をお聞きしたいと思っております。

Jasc
記事COLON 11
登録日時COLON 月 19 5 2008, 17:59

Re: モダンギターの問題点

投稿記事 by Jasc » 水 4 6 2008, 18:41

書き忘れていましたが、私が感じている不満点をいくつか列挙します。

1、糸巻きの精度と耐久性の問題
2、押弦によって音程が上昇することによる音程の不安定さ
3、音量(これは賛否両論であると思います)
4、楽器としての耐久性、リペアの困難性

以上のような点が私にはモダンギターの問題点であり、改良の余地がある部分であると考えています。

A. Takagi
記事COLON 102
登録日時COLON 水 6 6 2007, 13:34
お住まいCOLON 埼玉

Re: モダンギターの問題点

投稿記事 by A. Takagi » 月 9 6 2008, 08:57

私の感じている不満点は以下の通りです。解決可能なことなのかどうか分かりませんが、一応挙げてみます。

1. 温度や湿度の変化に対するチューニングの変化が大きすぎる。
2. ボディと身体が触れる面積が大きく、身体でボディの振動を吸収し、鳴らなくしているような気がする(実際にどうなのかは分かりませんが、そういう気がする、ということです)。ヴァイオリンで顎を乗せる器具(名称知りません)がありますが、あれのギター版みたいな可能性はないんでしょうか?
3. 12 フレット以上での押弦しにくさ(カッタウェイ方式の音への影響は??)
4. 典型的なクラシックギターの構え方とギターの形状がマッチしていない気がする。特に右腿に当たる部分や右肘を置く部分。音響的なデメリットなしで、構え方に適した形状というのがあるのではないか。

Jasc さんが挙げられた点は、私も概ね賛同ですが、それ以外では上記のようになります。2 - 4 までは、同じようなことを分けて言っているだけかもしれませんが。

ご参考になれば幸いです。
Guitar : Ichizo Kobayashi Model 50 2007
Silent Guitar : YAMAHA SLG120NW

黒白・無外流
記事COLON 200
登録日時COLON 土 2 2 2008, 03:51
お住まいCOLON 新潟県新潟市西区

Re: モダンギターの問題点

投稿記事 by 黒白・無外流 » 月 9 6 2008, 10:27

「モダンギター」というのに造詣がなく全く見当はずれかも知れませんが、エレキギターでひとつ。

スティーブクラインという方が設計した人間工学のエレキギターはひざに置くと、ネックを支えずとも
弾く位置に来るのです。音色に色気がないのであまり使っていませんが演奏してても疲れが軽減され
驚く次第です。スタインバーガー社製なんですが、奇抜なデザインよりで敬遠するのではなく、弾いてみると
「!なんだ?!これは!」と思えます。

こんな形をしています(ググって見ました)
このような形状の大胆な変更にチャレンジされる製作家さんがいつか現れるんじゃないでしょうか? :roll:
Jazz長屋からクラシックを意識して二十年近く。右も左も分からない初心者です。

remain-iihama
記事COLON 324
登録日時COLON 火 28 3 2006, 20:06
お住まいCOLON 埼玉県

Re: モダンギターの問題点

投稿記事 by remain-iihama » 月 9 6 2008, 12:51

 楽器製作については素人ですが私的な所見で一言。
 確かに形状については改良の余地があるとは思いますが音質や音量との兼ね合いがあると思いますので
 自然の材質を使用する限りそんなに簡単ではないのかかな?と思います。
 ただ、材質(自然の木材ではなく)を変える(科学的組成を考えて)事で、形状音質音量の改良の余地はあるとは思います。
 これにより、環境の変化を受けにくい楽器もできると思います。
 糸巻きについては確かに形状材質に改良の余地があると思いますので、安くてよいものが開発されれば嬉しいですね。
 チューニングの変化については楽器の特性と言うより弦自体の性質によるところが大きいと思いますので、温度や湿度の影響を受けにくい弦が開発されれば良いとは思いますが、これも音質や音量に関係してくると思いますので、簡単ではないのかな?
 押弦時の音程上昇ですが、弦高やフレット高、押弦圧や押弦の仕方、弦の張力や性質によると思いますので、楽器自体の改良だけではなく、弦や押弦フォーム(ひいては演奏フォーム自体もか?)の改良も必要になると思います。
 耐久性、リペアの困難性は一番大きな問題(時間と金がかかる)だと思います。指板などは磨り減って凹んでしまいますし、力木なども案外はがれ易いですし、日々のメンテ(湿度や温度管理)も良い楽器ほど気をつけなくてはなりませんから。又、耐用年数がもっと長くなって欲しい(弾きつぶして鳴らなくなったりする事があります。これは弾き方にも原因があるのかな?)とはおもいます。 
 まー、一つの芸術品(伝統工芸品)の様な側面もありますから、これはこれで意味があるのかもしれませんが、製作者の方々にはそんな物だと諦めずにもっと新しい可能性を模索してほしいとは思います。既存の常識や思い込みを脱した、科学的なアプローチでギターが進化することは、新たな可能性を拡げる事にもなると思いますので。
 それと「ボディと身体が触れる面積が大きく、身体でボディの振動を吸収し、鳴らなくしている」というのは、確かに私もある程度感じていますが、人が抱えて弾くフォームである以上限界があると思います。ただ色々な器具(例えば右肘を乗せる台のような物)が市販されていますので試してみても良いかも。演奏時の服装にも影響されたりして?
 とにかく、どんな形状材質であれ、安くて良い楽器ができてくれれば嬉しい限りです。 
 以上徒然に書き連ねましたがご容赦。
 
 

 
 

Jasc
記事COLON 11
登録日時COLON 月 19 5 2008, 17:59

Re: モダンギターの問題点

投稿記事 by Jasc » 火 10 6 2008, 17:52

皆様、ご返信ありがとうございます。

この投稿をするに至ったのは、多くの実験的な改良や改善の試みが行われてきたエレキギターや
スティールギターと対比して、クラシックギターのこうした試みの少なさの原因の一つとして、演奏家
からのフィードバックが製作家の耳にまで届いてないのでは?と思うようになったからです。

もちろんこれだけでは無いと思いますが、そもそもエレキギターなどと比べて職業演奏家の絶対数が少なく
また、そうした声が製作家まで届きづらいことや、製作家達が実験的な試みを発表できる機会(例えば定期的な展示会など)
がそもそも少ないということも関係あるのかもしれません。


>黒白・無外流様、A. Takagi様
ギターのボディ形状に関してはもっと研究の余地がありそうですね。

ただ、ギターを単なる楽器ではなく芸術作品としてみた場合、古典的な形状から全く新しい形へとは
中々受け入れられないような気もいたします。

ただ、実験的な試みとして、クラシックギターの演奏スタイルに大胆に合わせた形状のギターの登場も必要かもしれませんね。
多くの意見や批判を元に新たな形状を模索しなければならないですね。


>A. Takagi様
ガットからナイロンやフロロカーボンへ素材が移行したことによって温度や湿度に対する影響は随分と改善された
と思いますが、未だ鉄弦と比較すると大きいですね。

演奏者の体に振動が吸収されているのでは?との事ですが、チャールズテイラーの「音の不思議を探る」という本で、
演奏者にどの程度振動が伝わっているのか、それを映像化する試みが掲載されていました。

演奏者に伝わる音というのも重要ですが、確かに現状では表板に腕や肘が触れて、
自由な発音を妨げている印象もあります。

韓国の製作家Kim Hee Kong氏のギター(http://www.almaguitar.com/)では上記の点に着目したのかは分かりませんが、ギター本体に
腕を乗せる器具が取り付けられています。試奏したことはありませんが、中々良さそうな印象を受けます。


>remain-iihama様
大変参考になる意見ありがとうございます。

確かに、楽器だけの問題ではなく、弦や演奏フォームなどからもまだまだ改良の余地が残されていますね。

バイオリン属や鍵盤楽器などが科学的なアプローチから多くの学術的研究がされていますが、ギターに関しては
まだまだ、研究は盛んではないようですね。

また、クラシックギターの場合、大手の製作家メーカーが中心ではなく個人の製作家が中心ですから、
科学的なアプローチと実験から試作機をというのは現実に難しいのかもしれません・・・。

特に著名な製作家であればあるほど、多くのバックオーダーを抱えているため
そうした試みは益々困難になっていってしまうのでしょうね。

Obenfeld
記事COLON 106
登録日時COLON 水 3 5 2006, 11:00
お住まいCOLON Tokyo, JAPAN

Re: モダンギターの問題点

投稿記事 by Obenfeld » 水 11 6 2008, 21:05

Jascさん、こんにちは。

Jasc さんの発言のとおりで、各種の試みや科学的な分析アプローチの重要性は私も同感です。そのためには課題の整理が重要だと思いますので、この話題でもっと議論が進むといいですね。私も気になっている点をあげたいと思います。

1 調弦の問題
 ギター曲は調弦の種類が多いですね。アランフェス協奏曲などは曲の途中、1楽章と2楽章の間で調弦を変えます。そうでなくとも、曲をかえると調弦も変えるケースが多いです。しかし、短時間で調弦を変えたところで、引いているうちに狂ったりしますね。私の感想としては、長期的な安定性というより、とにかく調弦を変えた後の音程の安定性がほしいです。

2 演奏姿勢
 既に形状についての発言がありますが、これも含めて無理のない演奏姿勢という意味です。より自然な姿勢により安定性やテクニック向上が期待できると思いますが、どのような姿勢がよいのかよくわかりません。現在の標準的なものよりもっと垂直に近い方が手の関節に無理が無いように感じています。総合的というか人間工学というのか、最適な演奏姿勢が実現できるとよいと思います。

3 指向性
 音量のもうひとつの見方だと思います。ギターの音は前に出ますね。楽器を選ぶとき他の人に弾いてもらうというのはよく言われます。要するに演奏者には聞こえにくいという問題です。自分にもよく聞こえる楽器がほしいと思います。

まずはこんなところで。

Obenfeld